マラソンで世界一遅い記録
マラソン（42.195km）で一番遅い記録を知っていますか。
普通であれば市民マラソンの制限時間が長くても７～８時間です。
それ以上になったら失格になり記録に残りません。
しかしマラソンでは「54年8ヶ月6日5時間32分20秒3」という記録があります。しかも日本人です。
1912年第5回ストックホルムオリンピックのマラソンに出場した金栗四三さんはレースの途中で日射病で倒れ、近くの農家で介抱されました。気がついたのは次の日でした。
当時はストックホルムに行くために船と列車で20日もかかったそうです。食事も日本食などなく食事も口に合わず、マラソン競技の当日バスがこなくて競技場まで走って行ったそうです。しかも気温が40℃もあり参加者68名中約半分の人が途中棄権をし、翌日1名死亡者もでたほどのとんでもないレースだったようです。
レース中に消えた日本人の話はしばらくスウェーデンで話題になっていたそうです。
1967年スウェーデンのオリンピック委員会がストックホルム開催55周年記念式典を開催することになり、当時の記録を調べていたオリンピック委員会が途中棄権し疾走し行方不明として扱われいた当時の話が実際のことと違う事を知り、金栗四三を招待してゴールさせることにしました。
招待を受けた金栗四三は競技場をゆっくり走ってゴールをしました。そのときのアナウンスが「日本の金栗、ただいまゴールイン。タイムは54年8ヶ月6日5時間32分20秒3、これをもって第5回ストックホルムオリンピック大会の全日程を終了します。」と言いました。ゴール後コメントで金栗四三は「長い道のりでした。この間に孫が5人できました」ということです。
なんとも感動する話です。
